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FOODHALL koya
Food hall "eka" that conveys the charm of Koya's traditional crafts

Space design / 2021 / KOYASAN
Koyasan has given birth to numerous ideas over the 1,200 years since its founding. Here, there is a culture of religion and lifestyle nurtured by monks and people who support each other. However, due to the progress of aging and depopulation, there is a shortage of people who inherit Buddhism and the traditional crafts that support it. I want to protect the living culture that has been handed down from generation to generation by "craftsmen who do exquisite handwork", which has become a rare existence.
Therefore, we will use a part of the Koyasan University building, which is biased toward single-function services and is a space separated from the townscape, to create a space where craftsmen who are involved in the inheritance of traditional crafts, food, and forestry will be responsible for the future of the region. We propose the creation of a platform that connects children and contributes to the development of successors to traditional industries. Specifically, the goal is to set up a “manufacturing studio” where children and craftsmen can foster their creativity together, and to create a foundation for new businesses and indigenous entrepreneurs centered on them.

3. 4年間の実践プロセス
■ 2020年度:まちづくり学習のはじまり
高野町は「ふるさと学習」の充実を重要な教育政策の一つに掲げ、2024年の高野山小学校との小中一貫校化を見据えて、小学1年生からの9年間で地域を学ぶカリキュラムづくりを進めていた。ただし従来の「ふるさと学習」は担任によって内容が異なり、多くは歴史や伝統産業の調べ学習が中心だった。
2020年度に1年生担任となった教員Aは、この枠組みで「高野山のまちの未来を考える」まちづくり学習を企画する。相談を受けた筆者が教員Aとともに企画・実施を担うことになり、ここから取り組みが始まった。
テーマは「15年後の高野町がどうなっていて欲しいか提言しよう」。著名な観光名所ではなく「あまり知られていない魅力的なスポット」に焦点を当て、それらと観光名所を動線でつないで、住民や観光客が歩いて楽しめるまちづくりをサブテーマに据えた。授業は4つのステップ、計18回・29時間で構成し、1年生9名が取り組んだ。
Step1:良くしたい場所を考える(5時間)
9名が3組に分かれ、「良くなってほしい場所」と「そこで人が楽しめるようにするアイデア」を検討した。最初はアイデアが漠然としていたため、2回目には通学路上の「良くなってほしい場所」を地図に描き、空間的な工夫を考える手順に切り替えた。筆者による歴史的景観保全のレクチャー、町長によるまちづくり政策のレクチャーも挟んでいる。
Step2:まちなかでアイデアを練る(12時間)
空間を身体で捉えるため、約100分×3回のフィールドワークを実施。対象地は筆者らが選んだ3か所(金輪公園・弁天公園・観音堂のある駐車場)で、生徒は現地でスケッチしながら空間利用のアイデアを描いた。
Step3:まち全体の未来像を描く(5時間)
各対象地と観光名所を動線でつなぎ、まち全体を歩きたくなるアイデアへと発展させた。筆者らは、点のアイデアを面的な発想へ広げるよう助言した。
Step4:未来像を発表する(7時間)
成果物を学内の学習発表会や友好都市の中学生との交流会で発表した。ただし当初予定していた町長への提言は、準備時間を確保できず実施に至らなかったため、3分間のイラスト動画に仕上げた。石畳参道の整備、屋台や土産物店・ベンチの設置、シェアサイクルや社寺スタンプラリーの拠点設置などが盛り込まれている。

■ 2021年度:地域の魅力と課題を発見する
ここからは、2021年度に入学した1年生10名を対象とする3年間のプログラムだ。初年度は、生徒が地域の魅力と課題に自ら気づき、住民との対話を通じて地域への関心と当事者意識を育てることを目的とした。自分の生活圏である高野山を「自分ごと」として捉える視点と言葉を得ることを重視している。テーマは「高野町の魅力・課題を見つけて、まちの未来を話し合おう」。生徒は「訪れたくなるまち」「歩きたくなるまち」「住みたくなるまち」を構想し、その実現に向けたアイデアを提案した。
STEP1:地域マップをつくる(7時間)
高野山の魅力や課題を地図に描き込む「イメージマップ」を作成。当初は通学路中心だったが、文献やWeb検索で視野を広げ、3テーマのグループに分かれて将来像を語り合った。
STEP2:タウンウォッチング(8時間)
寺社・商店・公共施設など15か所を訪問。インタビュー技法を学んだ上で、生徒が自らアポを取り、住民と対話した。最初は質問に戸惑う様子もあったが、次第に対話が深まり、地域の文化的・人的資源への理解が進んだ。
STEP3:政策を構想し、役場職員と議論する(10時間)
調査で得た知見をもとに改善案を検討。役場職員との議論を経て、グループごとに「スタンプラリー等による観光促進」「歩道と車道を分けた安全な通学路整備」「空き家活用や子育て支援による移住促進」などの提案が生まれた。
STEP4:タウンミーティングで提言する(10時間)
町長や住民の前で発表。緊張しながらも自分の言葉で語った。町長からの「宗教都市としての特性を踏まえてほしい」という指摘を受け、生徒は内容を練り直した。

■ 2022年度:地域関係者と対話し、提案を具体化する
2年目は、地域の魅力と課題を把握した生徒が、多様な他者と対話・協働しながら、より具体的な提案へと発展させる段階と位置づけた。テーマは「高野山の人・もの・空間を活かしたまちの居場所をつくろう」。この年からは異学年協働の考え方を取り入れ、1〜3年生の混合グループを編成している。
STEP1:地域資源のデスクリサーチ(17時間)
歴史・文化・暮らし・産業の視点で地域を捉え直すマインドマップを作成。作業の中で伝統産業への理解の浅さが浮かび、ふるさと読本で知識を補った。
STEP2:地域の関係者と交流する(16時間)
学年ごとに異なる相手を訪問した。1年生は和菓子職人や宮大工、2年生は地域資源を活かした新規ビジネスの事業者と対話して継承と革新のバランスを学び、3年生は行政職員や観光事業者から現場の試行錯誤を学んだ。
STEP3:課題を絞り、場のビジョンを立てる(6時間)
混合3グループで、前年の提案を発展させながらプレイスメイキングの案を練り上げた。模型や実物大サンプルを制作し、空間やプロダクトのイメージを具体化した。
STEP4:ビジョンを提言する(4時間)
金剛峯寺の新別殿で、町長・事業者・住民と意見交換会を実施。提案に対して意見や助言、協力の申し出を得る機会となった。

■ 2023年度:まちで実際にやってみる
最終年は、提案を実践に移す段階だ。テーマは「高野山の奥深い魅力を世界に伝えるフードを作って販売しよう」。地元の胡麻豆腐店主の協力を得て地域産品を開発し、仮設店舗で販売する社会実験に取り組んだ。この年は、2・3年生の計18名を対象とし、探究の土台づくりが必要な1年生は別プログラムを実施した。
STEP1:観光客への街頭インタビュー(3時間)
「高野山でどんな食体験を期待するか」「改善してほしいこと」を観光客に尋ねた。「胡麻豆腐や精進料理をカジュアルに楽しみたい」というニーズが見え、生徒は地域外の視点から高野山の食文化の可能性を捉え直した。
STEP2:社会実験を計画し、実行する(36時間)
胡麻豆腐店と協働し、スイーツの開発・販売に取り組んだ。4グループが商品案を提案し、コンペ形式で「胡麻豆腐パフェ」「胡麻豆腐三色だんご」の2案を選定。グループを再編し、「五色幕パフェ」班と「空海の一生(三色だんご)」班に分かれて、レシピ作成・試作・パッケージ・広報資料のデザインを担った。完成品は参道沿いの2か所(大門地区・小田原地区)の仮設店舗で1日限定販売し、接客とアンケート調査も生徒が担当。「高野山らしい味」「ユニークな試み」といった声が寄せられた。
STEP3:結果を検証し、政策を立案する(6時間)
回収したアンケートを分析し、成果と課題を整理。「地域産品の開発が伝統産業や観光振興にどう貢献するか」「歩いて楽しめるまちにするには何が必要か」という視点から、地域資源の活用や、若者と事業者の協働体制づくりを含む政策を立案した。
STEP4:まちづくり政策を提言する(5時間)
大師教会中講堂で、町長・町議・住民ら約60名を前に、社会実験の結果とそれを踏まえた政策を発表した。町議からの「議会と生徒が連携できる取り組みを検討してほしい」という発言もあり、生徒は自分たちの提案が地域の大人を動かしうることを実感した。

■ 成果と課題
4年間を通じて、生徒は調査や提案にとどまらず、地域空間に働きかけるプレイスメイキングそのものを実践した。空間を観察し、必要とされる場のあり方を構想し、仮設の場を設営・運営するなかで、「誰のために、どんな空間が必要か」を主体的に考えるようになった。住民や観光客との対話を重ねるほど、地域への理解も具体的になっていった。
学びの深まりを振り返ると、1年次は地域の多様な資源への関心が芽生え、2年次は協働的な実践を通じて創造性と協働性が育ち、3年次はそれらを活かして社会に働きかけるなかで主体性が高まった。「提案から実践へ」という構成によって、生徒は自分のアイデアや行動が地域に受け入れられうると実感し、学びへの意欲や手応えを得た。学年や立場を越えた協働の場も生まれ、「中学生がまちづくりのパートナーになりうる」という声も聞かれた。
一方で、課題も残る。この取り組みは期間限定であり、継続的な地域の変化にはつながっていない。長期的にまちづくりへ貢献する仕組みが要る。また、ここでは学びの成果を質的に記述しており、今後は定量的な評価指標の導入が求められる。教育とまちづくりをまたぐ実践では、「成果」の定義と測定方法を明確にする必要がある。加えて、この取り組みは筆者が学校と地域をつなぐ役割を担うことで成立していた。他地域へ広げるには、同じ役割を果たすコーディネーターと、それを支える制度的な仕組みが欠かせない。
■ 高野山会議での活動紹介
4年間の取り組みを、2023年7月に開かれた「高野山会議2023」で発表した。この会議は東京大学先端科学技術研究センターが主催し、「Nature-Centered」の視点から1200年後の未来を語る科学文化学術会議で、高野山を舞台に、科学技術・アートデザイン・宗教の対話を通じてダイバーシティとインクルージョンの未来を構想することを目的としている。私は〈SESSION 04 高野山のまちと人〉に登壇し、「“まちづくり学習”が地域の持続可能な発展にどのように貢献できるか?」をテーマに、「ふるさと教育」4年間の活動を紹介した。
登壇者:吉本英樹/山口文章/小泉秀樹/浦井亮太郎

■ 韓国・江原研究院における国際シンポジウムでの活動紹介
韓国・春川市の江原研究院において、2025 年 6 月 9 日(月)に開催された、近畿大学との交流活動の第一弾である学術シンポジウム(テーマ:江原道の都市再生政策と空間福祉)に登壇した。私は「Developing Community-Based Learning through Collaboration with the Local Community: A Four-Year Program of “Hometown Learning” at Koyasan Junior High School」というテーマで、和歌山県高野町の高野山中学校において、学校の先生方と協働で実施していた「まちづくり教育」の研究活動を紹介した。
登壇者:秋勇旭/垣田博之/韓勝旭/浦井亮太郎

■ 韓国・全南文化財団との国際交流ワークショップでの活動紹介
韓国の全羅南道に拠点を置く公益財団、全羅南道文化財団の方々との国際交流が実施され、高野山の街の紹介と、自身の研究活動に関するレクチャーを担当した。

Step4:Presentation of future concept and exchange of opinions
The students created the structure and scenario of the presentation, put the final result on A1 size imitation paper, and presented it to the local residents at the new annex of Kongobu-ji Temple. After the presentation of the future concept, about 30 minutes were set aside for an exchange of opinions with local residents. The final product was exhibited at the Koya Town Tourist Information Center for about three months.
