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FOODHALL koya
Food hall "eka" that conveys the charm of Koya's traditional crafts

Space design / 2021 / KOYASAN
Koyasan has given birth to numerous ideas over the 1,200 years since its founding. Here, there is a culture of religion and lifestyle nurtured by monks and people who support each other. However, due to the progress of aging and depopulation, there is a shortage of people who inherit Buddhism and the traditional crafts that support it. I want to protect the living culture that has been handed down from generation to generation by "craftsmen who do exquisite handwork", which has become a rare existence.
Therefore, we will use a part of the Koyasan University building, which is biased toward single-function services and is a space separated from the townscape, to create a space where craftsmen who are involved in the inheritance of traditional crafts, food, and forestry will be responsible for the future of the region. We propose the creation of a platform that connects children and contributes to the development of successors to traditional industries. Specifically, the goal is to set up a “manufacturing studio” where children and craftsmen can foster their creativity together, and to create a foundation for new businesses and indigenous entrepreneurs centered on them.

3. 3年間の実践プロセス:段階的な学びの深化
本プロジェクトの特筆すべき点は、2021年度に入学した1年生(10名)が、3年間かけて段階的に地域への関与を深めていったことです。
■ 1年目:地域の魅力と課題の発見(2021年度)
初年度にあたる2021年度は,3カ年のまちづくり学習の出発点として,生徒が地域の魅力と課題に自ら気づき,地域住民との対話を通じて地域への関心と当事者意識を育むことを目的とした。特に,自らの生活圏である高野山の空間や人々の営みに目を向け,地域を「自分ごと」として捉える視点と言語の獲得を重視した。
授業テーマは「高野町の魅力・課題を見つけて,まちの未来を話し合おう」とし,生徒が対話や調査を通じて「訪れたくなるまち」「歩きたくなるまち」「住みたくなるまち」を構想し,その実現に向けたアイデアを提案することを学習目標とした。
STEP1:地域マップ作成による地域資源の把握(7時間)
まずSTEP1では,生徒が高野山の魅力や課題を地図上に描き込む「イメージマップ」を作成した。当初は通学路中心だったが,文献やWeb検索を通じて視野を広げた。その後,グループ1「訪れたくなるまち」(生徒A,B,C),グループ2「歩きたくなるまち」(生徒D,E,F,G),グループ3「住みたくなるまち」(生徒H,I,J)の3テーマに分かれて高野山の将来像を語り合った。

STEP2:タウンウォッチングによる地域課題の発見(8時間)
STEP 2では,生徒が寺社,商店,公共施設など15カ所を選び訪問した。事前にインタビュー技法を学んだ上で,自らアポイントを取り,地域住民と対話した。当初は質問に悩む様子も見られたが,次第に対話が進み,地域の文化的・人的資源への理解が深まっていった。

STEP3:まちづくり政策の構想と役場職員との意見交換(10時間)
STEP2で得た知見をもとに,各グループは「まちをどう改善できるか」を検討した。町役場職員との議論を経て,グループ1は「まち歩きの仕掛け(スタンプラリーの実施など)による観光促進」,グループ2は「歩道と車道の分離による安全な通学路整備」,グループ3は「空き家活用や子育て支援による移住促進」などの提案を生み出した。

STEP4:タウンミーティングでの政策提言(10時間)
STEP4では,生徒が町長や住民の前で提案を発表した。緊張の中でも自らの言葉で語る姿が見られた。町長からは「宗教都市としての特性を踏まえた計画にしてほしい」とのフィードバックが寄せられたため,生徒らは内容を再検討し,学内発表会用に提案のブラッシュアップを行った。


■ 2年目:地域関係者との対話と提案活動(2022年度)
2年目にあたる2022年度は,地域の魅力と課題を把握した生徒が多様な他者と対話・協働し,より具体的なまちづくり提案へと発展させる段階とした。1年目の関心や知識を基盤に,実現可能な場づくりに取り組むことを目的とした。授業テーマは「高野山の人・もの・空間を活かしたまちの居場所をつくろう」とし,生徒は僧侶や職人,観光・行政関係者と対話を重ね,地域の魅力と課題を再整理し,具体的な居場所づくりを提案した。また,異学年協働に関する先行研究を踏まえ,1〜3年生の混合グループを編成し,学年間を横断した協働活動を導入した。
STEP1:地域資源のデスクリサーチ(17時間)
STEP1では,歴史,文化,暮らし,産業の視点から地域を再認識するマインドマップを作成した。作業の中で伝統産業に関する理解の浅さが浮き彫りとなり,ふるさと読本を活用して知識を補完した。

STEP2:地域ステークホルダーとの交流(16時間)
STEP2では,学年別に異なる地域関係者を訪問した。1年生は和菓子職人や宮大工,2年生(生徒A〜J)は地域資源を活かした新規ビジネスを展開する事業者と対話し,継承と革新のバランスを学んだ。3年生は行政職員や観光事業者からまちづくりの現場の試行錯誤の実態を学んだ。

STEP3:地域課題の特定とプレイスビジョンの立案(6時間)
STEP3では,1〜3年生混合の3グループでプレイスメイキングの提案を協働で構想した。前年の提案を発展させ,地域資源の活用と実現可能性を重視してアイデアを精緻化した。加えて,模型や実物大サンプルの制作で空間やプロダクトのイメージを具体化した。

STEP4:プレイスビジョンの提言(4時間)
STEP4では,金剛峯寺新別殿を会場に,町長,事業者,住民らと意見交換会を実施した。生徒の提案に対して,意見や助言,協力の申し出を得る機会となった。


■ 3年目:地域空間での仮設的な実践(2023年度)
3年目にあたる2023年度は,地域の担い手と協働し,提案を実践に移す段階と位置づけた。地域づくりへの当事者意識と実践力の向上を目的とし,生徒は2年目の提案を具体化する実践に取り組んだ。
授業テーマは「高野山の奥深い魅力を世界に伝えるフードを作って販売しよう」とし,地元の胡麻豆腐店主の協力を得て地域産品を開発し,仮設店舗で販売する社会実験を実施。その成果をもとに地域活性化の提案を行うことを学習目標とした。また,異学年交流を前提としつつ,探究学習の土台づくりが必要と判断した1年生を除き,2・3年生(計18名)を対象に実施した。
STEP1:観光客への街頭インタビュー(3時間)
TEP1では,「高野山でどのような食体験を期待するか」「改善してほしいこと」などの設問を設け,町内で観光客へのインタビューを実施した。調査の結果,「胡麻豆腐や精進料理をカジュアルに楽しみたい」といったニーズが明らかとなり,生徒は地域外の視点から高野山の食文化の可能性を再認識した。

STEP2:社会実験プロジェクトの計画と実行(36時間)
STEP2では,地元の胡麻豆腐店と協働し,新たなスイーツの開発・販売に取り組んだ。生徒は4グループに分かれて商品案を提案し,コンペ形式で「胡麻豆腐パフェ」「胡麻豆腐三色だんご」の2案を選定。その後グループを再編し,「五色幕パフェ注12)」グループ(生徒A,D,E,G,J)と「空海の一生(三色だんご)注12)」グループ(生徒B,C,F,H,I)に分かれ,レシピ作成,試作,パッケージや広報資料のデザインを行った。完成品は参道沿いの胡麻豆腐店前に設置した仮設店舗(大門地区と小田原地区の2ヶ所)で1日限定販売され,生徒が接客とアンケート調査を担当した。観光客や地域住民からは「高野山らしい味」「ユニークな試み」などの声が寄せられた。

STEP3:社会実験の検証・まちづくり政策の立案(6時間)
STEP2で回収したアンケート結果を分析し,生徒は社会実験の成果と課題を整理した。その上で「地域産品開発が伝統産業や観光振興にどう貢献するか」「歩いて楽しめるまちにするには何が必要か」といった視点から,地域資源の活用や若者と事業者との協働体制構築などを含むまちづくり政策を立案した。

STEP4:まちづくり政策の提言・意見交換(5時間)
STEP4では,大師教会中講堂で発表会を開催し,町長,町議,住民ら約60名を前に生徒が社会実験の結果と,それを踏まえたまちづくり政策を発表した。町議からは「議会と生徒が連携できるような取り組みを検討してほしい」との意見もあり,生徒は自らの提案が地域の大人の関心を集め,まちづくりに影響を与え得る可能性があることを実感した。


Therefore, we will use a part of the Koyasan University building, which is biased toward single-function services and is a space separated from the townscape, to create a space where craftsmen who are involved in the inheritance of traditional crafts, food, and forestry will be responsible for the future of the region. We propose the creation of a platform that connects children and contributes to the development of successors to traditional industries. Specifically, the goal is to set up a “manufacturing studio” where children and craftsmen can foster their creativity together, and to create a foundation for new businesses and indigenous entrepreneurs centered on them.
