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FOODHALL koya
Food hall "eka" that conveys the charm of Koya's traditional crafts

Space design / 2021 / KOYASAN
Koyasan has given birth to numerous ideas over the 1,200 years since its founding. Here, there is a culture of religion and lifestyle nurtured by monks and people who support each other. However, due to the progress of aging and depopulation, there is a shortage of people who inherit Buddhism and the traditional crafts that support it. I want to protect the living culture that has been handed down from generation to generation by "craftsmen who do exquisite handwork", which has become a rare existence.

Therefore, we will use a part of the Koyasan University building, which is biased toward single-function services and is a space separated from the townscape, to create a space where craftsmen who are involved in the inheritance of traditional crafts, food, and forestry will be responsible for the future of the region. We propose the creation of a platform that connects children and contributes to the development of successors to traditional industries. Specifically, the goal is to set up a “manufacturing studio” where children and craftsmen can foster their creativity together, and to create a foundation for new businesses and indigenous entrepreneurs centered on them.
プレイスメイキングの実践内容
2025年3月~5月にかけて、ホトリヲや周辺エリアで開催された以下の取り組みにクミカグを活用した。
1回目の実践(空きビル活用実験イベント)
グランドオープン前の試行的イベント「でも、デモ オープニングイベント」において、クミカグを5ユニット連結し蛇行状に配置した。屋内外に跨るレイアウトとし、座面となる三角形板、スリット入り板、幅広板など用途に応じた4種類の板材を設計・製作した。全パーツは分解・収納が可能で自動車で運搬できるサイズとし、イベント当日に短時間で組立設置を行った。この構成により、書店、展示、飲食、ワークショップといった異なる活動が連続的に並びつつも領域が自然に重なり合い、一体的な空間が生まれた。実際に、展示物を見に来た来場者がそのまま隣のカフェスペースで飲食を楽しむ光景や、書店エリアの本を手に別の席で閲覧するといった行動が見られ、各機能間の垣根が曖昧になった。








2回目の実践(水辺空間での社会実験イベント)
大阪市主催の水辺利活用社会実験「東横堀川リバーテラス2025春」に合わせ、建築計画研究室が書店として出展参加した。「ホトリヲ」内にクミカグを設置し、本とポストカードと植物を販売する簡易キオスクとして機能させた。クミカグは短時間で組立・撤去が可能なため、期間限定イベントにおいても有効に機能した。



3回目の実践(日常空間での可変的活用)
ホトリヲの実店舗営業開始後も、場の管理者がクミカグを創意工夫して活用した。例えば5月には、革製品店による対面販売ブースとしてクミカグを再構成し、また夜間のバータイムには店内外を緩やかにつなぐスタンディングテーブルとして設置した。このようにイベント内容や時間帯に応じて什器を組み替えることで、空間に常に新しい使い方を生み出している。利用者自身が能動的に場を作り変えるプロセスを促す点で、クミカグは単なる家具ではなく「場を育てるプラットフォーム」として機能していると言える。


プレイスメイキングの効果/考察
東横堀川の事例では、クミカグの可変性が狭小な空間に多機能な場を内包させ、活動間の境界を融解させる効果をもたらした。特にオープニングイベントでは、複数店舗・用途が一続きのレイアウトで互いに誘客し合い、空間全体の一体感と賑わい創出に寄与した。ユーザーからは「区切られていないので自由に回遊できる」「思わぬ出会いがあって面白い」といった反応が得られ、境界を曖昧にした設えが新たな交流を生む可能性が示唆された。
また日常利用においても、経営者自らが什器のレイアウトを変えることで空間演出を行っており、時間帯や季節に応じてフレキシブルに場を調整できる利点が確認できた。これは利用者=場の主が主体的に関われる余地をデザインに組み込む重要性を示している。一方、自由度が高いがゆえに初期設置時には最適配置を模索する手間も見られた。今後、利用目的に応じたモジュール形状の提案パターンや、設営マニュアルの整備によって、より円滑にユーザー主体の場づくりを支援できると考えられる。
