top of page

Ryotaro Urai

logo

project.4

FOODHALL koya

QA1

建築計画・まちづくりに関するQA
Q. 建築計画と設計はどう違うのですか?

A. 設計は図面を描いて具体的に形にしていく作業ですが、建築計画は「誰のために、何を、どのようにつくるのか」という背景を考え、設計の方向性を決めていく作業で、設計者にとっても重要な仕事です。特に学校のような公共性の高い施設では、計画段階での対話や現場理解がとても重要になります。

Q. 建築計画における“やりがい”は何ですか?

A. 私にとっての建築計画のやりがいは、設計者と利用者の間に立って、両者の考えや言葉をつなぎ、空間をよりよいかたちに整えていくことにあります。使う人の視点と、つくる人の意図の間にある“翻訳者”のような役割に魅力を感じています。

Q. 浦井先生は、設計よりもまちづくりに重きを置いた研究をされているのですか?
A. はい。建物の設計そのものよりも、地域との関係性や空間の使われ方に注目した研究に取り組んでいます。空間をつくることを通じて、地域の人や文化とどう関われるかが、私の研究の中心にあります。

Q. リノベーション物件は自分で探すのですか? それとも依頼が来るのですか?

A. 地域に関わる中で「空いている場所があるから活用したい」という声を聞くこともあり、そこからプロジェクトにつながるケースが多いです。

Q. 街を活性化させるにはどうすればいいのでしょうか?
A. 活性化といっても手法は一つではありません。地域ごとに背景や課題が違うため、毎回同じ方法でうまくいくわけではなく、現場に即した小さな試行を重ねながら、使い手と一緒に空間や活動を育てていくことが大切だと考えています。

Q. 子どもにとって良い「まちづくり環境」とは何だと考えていますか?

A. 子どもたちが自分のまちに関心を持ち、地域の人と関わりながら、自らアクションできることが重要だと考えています。体験を通じて「自分ごと」としてまちに関わることが、子どもと地域の双方にとって価値のある学びになります。

QA2

教育施設研究に関するQA
Q. 学校施設を計画・設計するうえで、大切にしていることは何ですか?
A. 子どもたちの創造性や主体性が自然に引き出されること、そして学年を越えた交流が生まれるような空間をどうつくるかです。単に教室を並べるのではなく、「使い手がどう過ごしたくなるか」という感覚を大事にしています。また、先生や地域との関係性が豊かに育つような、ひらかれた空間であることも大切にしています。

Q. 学校の設計では、実際の使われ方と設計者の意図がズレることもありますか?
A. あります。設計の段階で「こう使われるだろう」と思っていても、現場では違う使われ方が生まれたり、使われないままの場所ができてしまうこともあります。大事なのは、そのズレを問題と捉えるのではなく、使われながら“育つ空間”として柔軟に考えていくことです。

Q. そのようなギャップを埋めるにはどうすればいいですか?
A. 設計者と使い手が、遠慮なく本音で話せるような場を設けることが大切です。事前のワークショップや、簡単なスケッチを交えたイメージの共有なども有効です。計画段階から一緒につくっていくプロセスを踏むことで、ギャップを埋めてくれます。

Q. 教室を教科ごとに移動する仕組みについて、どう考えますか?
A. 教室を移動することで、学習の環境が切り替わり、気分転換にもなります。特に中学生以上では、学びのリズムを整える意味でも効果的です。

Q. さまざまな機能(学校・公民館など)を統合すると問題は起きないのですか?

A. 起こります。使う人の目的やリズムが異なることで摩擦が生じることは珍しくありません。ただ、それをどう乗り越えていくか、関係者と共に調整しながらよりよい空間をつくっていくことこそが、建築計画の役割だと考えています。​​

QA3

無人駅研究に関するQA
Q. 無人駅の研究で、地域活性や持続可能性の中で最も魅力を感じる点は何ですか?
A. 無人駅は、交通機能に加えて「地域の小さな資源」として活かせる可能性がある点に魅力を感じています。駅舎は小規模ですが、人が立ち寄れる拠点や日常の交流の場として再生すれば、地域に新しい動きや居場所が生まれると感じています。

Q. 駅の中に残った空間(室内)は、どのように活用できるのでしょうか?
A. 無人駅の室内は広くはありませんが、その「小ささ」が逆にちょうどよい居場所になることがあります。たとえば、待合スペースを活用してカフェや本棚、イベントの掲示板などを設置し、地域の人が自然と立ち寄れる場にすることが可能です。なお、活用方法は地域ごとに異なりますが、地域の人が関われる「仮設的な場づくり」や「日常的な用途への転用」が鍵になります。具体的な事例は下記ページでも紹介していますので、ぜひご覧ください。

持続可能な鉄道駅のあり方に関する研究

Q. 駅舎のない無人駅は調査対象に入っているのですか?
A. 現在は、駅舎が残っている無人駅に絞って調査を行っています。建物があることで空間的な活用が可能となり、地域との関わり方を具体的に提案しやすいためです。

Q. 無人駅は利用者が減るからこそ無人になるのでは? そのような場所で改修の計画は考えられているのですか?
A. はい、考えられています。たとえ利用者が少なくても、駅が地域にとって意味のある場所であることは変わりません。むしろ、少人数だからこそ丁寧に活かせる使い方があり、その価値を掘り起こすことが各地での実践の出発点になっています。

QA4

フィールドワークに関するQA
Q. フィールドワークはなぜ必要なのでしょうか?
A. フィールドワークは、図面やデータでは見えない“人の営み”や“空間の使われ方”を、自分の目と身体で感じ取る貴重な機会です。空間を見る目、地域と関わる姿勢、現場での対話力を育てるために欠かせない学びだと考えています。

Q. 街並みや地域を調査することで、どんなメリットがありますか?

A. 図面や地図ではわからない、その土地ならではの歴史や文化、暮らしの工夫を肌で感じられます。また、人の流れや滞留の仕方など、空間と人との関係性を実感として理解できるのも大きなメリットです。

Q. 調査に行くときは、何を重点的に見るのですか?
A. 調査対象によって異なりますが、インタビュー調査や建物・集落の実測調査は基本です。人の動きや物の配置、看板や余白の使われ方など、細かな観察を通して「その場所らしさ」を読み取ることを大切にしています。

Q. なぜ設計演習では、フィールドワークがあまり行われないのでしょうか?
A. 設計の授業では時間やカリキュラムの都合で現場調査に多くの時間を割けないという現実もあります。ただ、設計とフィールドワークは本来つながっているべきで、現場を知ることが空間を構想する力につながると考えています。なお、建築企画演習1ではフィールドワークの時間を十分に確保しています。

QA5

資格・キャリアに関するQA
Q. 都市計画やまちづくりに関わる仕事をするうえで取っておいた方がいい資格はありますか?
A. 特定の資格が必須というわけではありませんが、将来の選択肢を広げる意味で「技術士」「宅建士」「二級建築士」などを視野に入れておくと良いでしょう。自分がどの領域でまちと関わっていきたいかによって、必要な知識や資格は変わってきます。

Q. 企画マネジメント専攻でも建築士になれるのですか?

A. なれます。私自身も企画マネジメント専攻から二級建築士を取得しました。設計に加え、建築の背景や使われ方を含めて考えたい人には、企画系の視点はむしろ強みになると思います。

Q. 公務員としてまちづくりの仕事に就きたいと考えています。何をしておくべきですか?
A. コースに関係なく、地域の現場に出て、さまざまな立場の人と関わる経験を積むことが一番の学びになります。浦井ゼミではフィールドワークを通じて、現場でしか見えないまちの課題や可能性に触れることを大切にしています。そうした経験は、公務員として地域と向き合う際にも大いに活きるはずです。

QA6

学生生活に関するQA

Q. 大学生のうちにやっておいた方がいいことは何ですか?
A. 語学力、特に英語は早いうちから意識して継続的に学んでおくことをおすすめします。加えて、自分の関心を持つ分野以外にも目を向け、海外や他分野の刺激を受けながら、視野を広げていくことが大切です。

Q. 浦井先生が学生時代に大切にしていたことは何ですか?
A. とにかく貪欲に「場に足を運ぶこと」です。建築家のレクチャーに参加したり、建築を見に出かけたり、リノベーションのワークショップに足を運んだりと、身体を使って学ぶことを重視していました。現場で得た感覚や人との出会いが、後の研究や実践に深くつながっています。

Q. 学生時代、企画マネジメント専攻を選ばれた理由は?

A. 建築の「形」だけでなく、「何を、なぜ、どうつくるか」といった前段階の問いに興味がありました。また、設計した後の運用や活かし方にも関心があったため、建築全体を広く捉えられる企画マネジメントの道を選びました。

Q. 近畿大学時代に苦労したことはありますか?

A. 自宅から大学まで片道2時間かけて通学していたのですが、その時間をどう活用するかが一つの課題でした。読書やスケッチをしたりして、自分の力を伸ばす時間に変える工夫をしていました。

Q. 浦井ゼミでは、どんな研究の進め方をしているのですか?

A. 設計でも論文でも可能ですが、多くの学生は現地調査を通して人の暮らしや空間の使われ方を見つめ、それをもとに研究や提案を進めています。フィールドでの観察や気づきを出発点にすることで、現実に根ざした研究/設計の問いが生まれやすくなります。

Q. ゼミの活動は誰でも参加できますか?(高野山のプロジェクトなど)
A. 基本的にはゼミ生を対象としていますが、公開されているイベントや成果発表の場もあります。興味のある方は遠慮なく声をかけてください。

 

Q. もともと考えていた意図をうまく伝えるにはどうすればいいですか?
A. ビジュアル資料や事例を活用することが有効です。相手の立場に合わせた伝え方を意識することで、言葉だけでは伝えきれない空間のイメージや価値を共有しやすくなります。

bottom of page